知識偏重の教育から、「議論し考える教育」へ
2020年度、大学入試が大きく変わります。グローバル化に対応した英語教育改革も2020年度の本格導入が決まっている事は以前お話しました。同じタイミングでセンター試験が廃止され、変わりに今の小学六年生が受験する2020年度から、「大学入学希望者学力評価テスト」が導入される方向で動いているみたいです。情報化社会を生き抜く人材をどう育てるのかを焦点に、知識偏重の教育から、「議論し考える教育」への転換期を迎えています。
廃止の背景には様々な理由がありますが、センター試験のようなマークシート形式、つまり答えありきの問題を軸に育つと、与えられた課題をこなす能力は向上しても、前例のない事については考える力や対応する力は育たないと言う事が特に指摘されています。
また世界を見渡せば人口、環境、公害に資源・エネルギー等、これから先ますます深刻化が予想される問題が山積みです。その中で私達日本人のそれぞれの問題に対する意識、取り組みは私達が思っている以上に世界中から高い評価を得ています。そしてそれを他国に教える事のできる人材が不足しているのもまた事実です。
今までに前例のない様々な問題について解決策を考える力、また日本式の良さを他国に発信する力を国が必要としている。だから今「議論し考える教育」への移行が今求められ、「グローバル化に対応した英語教育改革」が同じタイミングで叫ばれているのではないでしょうか?
変化が加速し、予測が難しい現代において、「主体性を持って多様な人々を説得し、多様な人々と協働して新しいことをゼロから立ち上げることのできる、社会の現場を先導するイノベーションの力を身に付ける事」は非常に大事な事だと、またそれを可能とする英会話力を身に付ける事が国境を越えた社会で活躍するためには非常に重要な能力であると感じています。
日本には他の国がこれから模範とすべき、地球や次の世代のためになる素晴らしい技術や考え方などがたくさんあります。世界に日本の素晴らしさを広める仕事、考えただけでなんだかワクワクしませんか?
そして、広めるためには先ず私達自身が日本の素晴らしさに気づく事、そして自信を持ち世界中の人々と対等に話せるようになる事が必要不可欠です。
そこで今日は中学生以上のみなさんにお願いがあります。それは授業を外国人の先生達にまかせっきりにしないでほしいと言う事です。彼らは英語と教育のプロフェッショナルですが、それとあなたの話しやすい内容を知っているかは別問題だからです。日本語でもそうですが、共通の会話をするにはお互いに分かりあえる内容が必要です。主体的にどうすれば自分はクラスの中で話せるようになるのかを考え、お互いが話す内容を準備する事で進歩のスピードはかなり加速し、発話の量と質もグッと上がります。これも考える力を実践する場と思って是非前向きに取り組んでみて下さい。
とは言っても、何か参考になる例がないと難しいと思いますので、次回は具体的にどのような方法が効果的だったのか、担当したいくつかのクラスを例にお話ししてみたいと思います。