大学入学共通テストについて
大学入学共通テストで導入される英語民間検定試験のうち来年4~7月に実地される「英検」の予約申し込み受け付けが9月18日に始まりました。生徒さん達の中にもどうすればいいかわからないと戸惑っている方も多いので、現状ではどのような対応をするのがベストなのかを提言させて頂こうと思います。あくまで一個人として、この混迷の試験改革に対し、パンプキンの生徒達が迷う事無く一番楽に、確実に、コストパフォーマンス良くクリアするための指針になればと考え、僭越ながら意見を述べさせていただきます。
Qそもそも大学入学共通テストとは?
―現行のセンター試験の後継です。
Q従来の試験との違いは?
―記憶力ではなく思考力・判断力・表現力を問う問題への移行が一番の目的です。
Q何故民間への委託が決まったのか?
―「読む」「聞く」に加え「話す」「書く」を効率良く導入するためです。四技能を満遍なく測るため、、、と文部科学省は言っていますが、、、
Qいつ受験予定ですか?
―現在高校二年生の生徒さんは2020年の4月~12月の間に7種類の試験から最大二回受ける事ができます。
Q問題点は何なのでしょうか?
―地域格差による受験にかかる費用や受験機会の違いが一番大きいのではないでしょうか。試験会場が限られる見通しで、全てのテストが宮崎で受けられる訳ではありません。試験によっては25000円以上するものもあり、どうしても近隣で頻繁に受験できる都会に住む富裕層の生徒さんたちが有利に思えてしまう現状です。
Q各テスト間に不公平はないのでしょうか?
―違う試験の成績を、同じ物差しに当てはめて比較するため、正確性・公平性に欠けると言われています。
Q文部科学省が急に変更したりしませんか?
―改革を断行し、問題点を一つ一つ解決していく方針は変えないそうです。
宮崎に住む子供たちにとって最善の選択肢は?
先ず結論から言うと文部科学省後援の英検とベネッセのGTECの二つを天秤にかけ、各生徒の目的に応じて決断する流れが一番多くなりそうです。国立・公立ではほとんど民間試験の指定は無く、出願資格を得るためのセファール(※)における到達目標をクリアすれば大丈夫です。東大や九州大学でもA2(英検準二級~二級レベル)で出願可能になります。
※異なる試験の成績を比較するために用いられる指標(CEFR)
英検とGTEC、その理由は?
宮崎でも継続して確実に受けられるからです。受験地格差が他の試験と比べ無い事。費用が継続して受ける上で他のテストに比べ家計への負担が少ない事がその理由です。英検が3000~9500円、GTECが6700~9720円になります。他は一回で15000~25000円程度します。高校三年時に、二回しか受ける事ができない試験で高い点数を取る事が目標なのであれば、同じテストを継続し、慣れる事が一番ですから、その意味でこの二つがベストだと思います。高校二年まで学校と一般受験でその両方を多く受験し、得意な方を見極めるのも一つの手です。
他の試験は受けなくても大丈夫?必要になりませんか?
調べたらキリが無かったので、例は出しませんが、推薦で特定の試験のスコアを要求される事は多くあります。特に私立では各民間試験団体との繋がりがあるからか、各学校で大きく違いますし、民間英語試験を指定している大学も多くありますし、加点といった優遇措置も多く見られます。必要か必要でないかは行きたい大学によって大きく変わります。今まで以上に早い段階で目的意識を持ち、大学や学部を選び、それに向けて早く準備する事ができると、有利になる事は間違いありません。そして逆に言えば、行きたい大学が決まっていてそれに対して必要とならない限りは上記二つの試験で大丈夫だと思います。
テストに振り回されないで!
やりたい事、行きたい学部、学びたい分野を暫定でいいから自分で決めてしまう事が最優先だと感じています。最後は根拠の無い精神論になって恐縮なのですが、テストの有利不利を追っているうちは人間として大きく成功する事は無いと思いますし、テストで有利な点数が取れる事を理由に行った大学で何が学べる?と思ってしまうからです。ハッキリとした目的意識に勝るモチベーションは無い事からも、ベストは上記三つのどれかから逆算し、本当に必要となる試験のための努力を始める事です。よくわからないではなく将来を見据え、自分の特性を家族や友達に聞き、得意分野を見極め、暫定でいいから自分で決断して前に進むしか後悔の無い選択は生まれないでしょう。
目的がまだ決まっていないみなさんは決まるまで、先ずは英検二級を目指して下さい。それがクリアできれば選択肢が圧倒的に広がる事だけは間違いありません。そもそも二級に到達していない人は他の試験を消化出来ないと思います。二級が一番消化しやすく、内容的にも楽しく、長い目で見て身になる試験です。場合によっては準一級を目指すより、二級で満点に近い点数を目指す方が確実で効率の良い受験勉強になる場合もあります。難関国立大学や私立名門を目指す人はとりあえず中学三年~高校一年で二級合格が目標です。そうすればもし希望大学へ行くのに他の試験の点数が必要となった時に移行し、慣れるまでの十分な時間を確保出来ます。
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